OB
大園茂樹
(大和西高等学校一期生 同窓会会長)
神奈川県立大和西高等学校は、開校以来、国際性豊かなカリキュラムやプログラムを特徴として教育を行ってきました。こうした特徴は広く認知され、少子化が叫ばれる昨今においても多くの生徒が入学を希望しています。これからもこうした特徴を維持しつつ、より豊かな教育を提供できる学校であってほしいと、私たち同窓会では考えています。
同窓会として、各界の著名人をお招きして特別授業を行っているのも、そうした理由からです。高校から大学へと進学する際、とかく得意科目から学部を選び、偏差値から大学を選んで受験するといった高校生は少なくありません。ただ、将来の目標が定まれば、大学はその課程の選択肢の一つとして捉えることができる。ゴールではなく、自分が本当にやりたいことへ向けてのスタートになるんです。私がお招きする著名人の方々は、大学がすべてではない人生を送ってこられたし、夢を実現するまでには挫折も経験しています。高校生にとっても共感できる部分がたくさんあるはずです。そうした話を、将来の進路が具体的になっていく高校時代に聞くことは、とても重要だと考えています。
私が大和西高等学校に在籍していた当時、そうした特別授業はありませんでしたが、今でも思い出すのは世界史の授業です。それまで歴史にはまったく興味がなかった私ですが、当時の担任の先生がさまざまな歴史上のエピソードや世界各地を旅した思い出などを語ってくれたことで、成績はともかく、世界史が非常に好きになりました。現在は仕事で世界各地を訪れることがあるのですが、その当時に得た知見、そしてそこから生まれた海外への興味は、今の仕事にも大いに役立っています。
3年間という時間は、社会に出ればあっという間に過ぎ去ってしまう程度の年月です。けれども私にとっての高校3年間は、今思い返してみても濃密で、思い出深い日々でした。同様の想いを抱く人は多いのではないでしょうか。もちろん、ただ授業を受けるだけでも3年間は過ぎ去ってしまいます。そうではなくて、生徒一人ひとりの心に何らかの火を灯し、次のステージを目指すための充実した日々を過ごしてもらうことが重要です。大和西高等学校が、今後もそうした場所であり続けることを、卒業生の一人として願っています。