INTERVIEW

INTERVIEW

2021.04.06

及川晋平さん
(車椅子バスケットボール 日本代表ヘッドコーチ)

及川晋平さん<br>(車椅子バスケットボール 日本代表ヘッドコーチ)

中学、高校とバスケットボール部に所属していたのですが、高校1年次に骨肉腫を患い約1年間休学しました。一度は復学したのですが病状が悪化して再入院。合計で約5年間の闘病生活となり、結局高校を卒業することはできませんでした。そんな時に出会ったのが、車椅子バスケットボールだったです。当初は「車椅子に乗ってバスケットボールをやるなんて」と思っていたのですが、実際にプレーしてみるととても面白く、地元のチームに入団。その後、シドニーパラリンピックにはプレーヤーとして、そしてロンドンパラリンピックにはアシスタントコーチとして参加。そして現在は東京パラリンピックに向け、男子代表チームの監督として忙しい日々を送っています。

これまでも、大和西高等学校で行っているドリームプロジェクトに講師として参加し、車椅子バスケットボールを体験してもらったりしたことがあります。そこで何より伝えたかったのは、「皆さんの可能性は無限大」ということです。皆さんが大人になっていく過程で、いや大人になっても、つまずいたり壁にぶつかったりすることが、きっとあります。ただ、どんな困難な目にあったとしても、それを乗り越える道も、きっとあります。私の場合は、それが車椅子バスケットボールだったのです。

骨肉腫を患った当初の私は、悶々とした日々を送っていました。消極的で心を閉ざしたような状態です。その一方でそんな自分が嫌だという気持ちも抱えており、「何かを突破したい、現状の毎日を打破したい」と考えていました。そうした時期に、車椅子で好きなバスケットボールにまた取り組めることが、自分の中でのブレークスルーになりました。ですから皆さんも、自分が好きだと思うモノやコトには正直になって、本気で取り組んでほしいですね。きっとそれが皆さんの可能性を無限大にし、壁を乗り越えるきっかけになるはずだから。

ちなみに私の高校生活は短いものでしたが、当時の同級生とは交流があります。そして私の活動が認められたのか、高校からは「名誉卒業生」の称号もいただきました。人の一生から考えれば、高校の3年間なんてあっという間ですが、それでもそこでの経験や、関わった人たちが、後の人生の節目できっと力になってくれる、人生の財産のような大切な時間だと思います。

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